採用・企業発信

採用サイトの社員インタビューの作り方|質問・構成・確認の流れ

採用サイトの社員インタビューは、印象より実際の出来事を聞くと具体的になります。取材準備シート、質問例、誘導しない聞き方、記事構成、職種別の質問、本人確認まで解説します。

編集・発信:Nico合同会社

公開日: / 最終更新日:

机を挟んで資料とノートを見ながら話す二人

採用サイトの社員インタビューを作ろうとしても、「何を聞けば仕事の実際が伝わるのか」「全員が似たような話になってしまう」と迷うことがあります。大切なのは、会社の魅力を抽象的な言葉で語ってもらうことではなく、社員が実際に経験した出来事を聞くことです。この記事では、取材相手の選び方、質問の組み立て方、記事へのまとめ方、公開前の本人確認まで、採用サイト向けの文章・写真インタビューの進め方を整理します。

先に結論: 「この会社は働きやすいですか?」と印象を聞くだけでなく、「最近、誰かと相談して進めた仕事はありますか?」と具体的な場面をたどります。候補者が入社後の仕事を想像できる情報を集めることが目的です。

誰の、どんな疑問に答えるインタビューかを先に決める

社員インタビューは、まず「どんな人を取材したいか」ではなく、「候補者が何を知りたいか」から考えると整理しやすくなります。

例えば、未経験から応募する人は、仕事を覚える順番や相談できる相手が気になるかもしれません。経験者であれば、担当する業務の裁量、開発や営業の進め方、判断の仕組みを確かめたい場合もあります。

候補者が知りたいこと経験に基づいて答えられる人
入社後、最初は何をする?最近入社した社員や育成に関わる担当者
実際にどんな仕事をする?その職種の業務を日常的に担当する社員
困ったときは誰に相談する?チームで仕事を進めている社員や管理者
意思決定はどう進む?案件の方針や優先順位を調整する社員

役職や社歴だけで選ぶ必要はありません。候補者の疑問について、自分の経験から話せるかどうかを重視します。話すのが得意な人だけを選ぶより、異なる経験を持つ人から具体的なエピソードを聞く方が、会社の実際を伝えやすいこともあります。

取材前に「候補者の疑問」を一枚のシートにまとめる

質問を大量に用意する前に、記事の目的と確認事項を整理しましょう。次のシートは採用担当者がコピーして使える準備用のひな形です。

項目記入すること
想定読者どの職種・経験段階の候補者に読んでほしいか
読者の疑問入社前に確認したい仕事・人・働き方など
取材する人その疑問に自分の経験で答えられる社員
聞きたい出来事具体的な案件や日常の一場面について聞けそうなこと
確認資料業務内容、役割、時期、制度など事実確認に使える資料
掲載の確認本人の同意、写真の使用範囲、機密情報の取扱い

この時点で「社員の魅力」を決めつける必要はありません。取材を通して、実際の言葉や行動から伝わることを探します。また、原稿と写真の使用目的・公開範囲は取材前に共有しておくと、本人も安心して話しやすくなります。

出来事をたどる質問は「場面→行動→理由→今の考え」

抽象的な質問だけでは、回答が「やりがいがあります」「相談しやすい職場です」といった一般的な言葉に偏りがちです。そこで、一つの出来事を次の順番で聞いてみます。

ノートとマイクを用意し、相手の話を聞きながら記録する取材の場面
  1. 場面: 最近の仕事で、印象に残っている出来事は何ですか。そのとき、何が起きていましたか。
  2. 行動: その場面で、ご自身は何をしましたか。誰と相談しましたか。
  3. 理由: いくつかの方法がある中で、なぜその進め方を選びましたか。
  4. 今の考え: その経験から何を学びましたか。今ならどう進めますか。

この順番なら、出来事の背景と本人の判断がつながります。正解を言ってもらうための質問ではなく、実際に起きたことを確かめるための質問です。

答えが抽象的だったときは、「例えば、最近の一件を教えてください」「そのときに使った資料や道具は何でしたか」「最初に相談した相手は誰でしたか」と、具体的な場面へ戻すと話が深まりやすくなります。

誘導しない質問への言い換え

取材する側が「この会社のよいところを聞きたい」と考えすぎると、答えを先に決めた質問になりやすくなります。質問はできるだけ、相手が自分の言葉で答えられる形にします。

避けたい聞き方言い換える質問
風通しがよい会社ですよね?上司や同僚と相談して仕事を進めた場面を、一つ教えてください。
やりがいのある仕事ですよね?最近、手応えを感じた仕事はどんなものでしたか。
成長できましたか?1年前は難しかったことで、今できるようになったことはありますか。
社員同士の仲がよいですよね?普段、他のメンバーとはどんな場面で協力していますか。
入社してよかったですか?入社前の想像と、入社後の実際で違ったところはありますか。

もちろん、ポジティブな話を聞いてはいけないわけではありません。ただし、答えの方向を固定せず、難しかったことや予想と違ったことも聞くと、仕事の実像が見えやすくなります。

インタビュー記事は「仕事内容→経験→難しさ→人→これから」の順でまとめる

取材が終わったら、会話の順番をそのまま文章にする必要はありません。読者が理解しやすい順に並べ替えます。例えば、次のような構成が考えられます。

1. 現在の仕事と役割

どの部署で、どのような仕事を担当しているのかを最初に伝えます。専門用語や社内用語は、初めて読む候補者にも意味が分かるよう補足します。記事の冒頭で仕事内容を理解できると、その後のエピソードも読みやすくなります。

2. 仕事の具体的な経験

印象に残った一件を中心に、どんな状況があり、本人がどう行動したかをまとめます。「多くの仕事に挑戦しています」と書くより、実際の案件や日常の一場面を示す方が伝わりやすくなります。顧客名や未公開情報を含む場合は、公開してよい範囲を事前に確認します。

3. 難しかったことと、進め方

仕事の魅力だけでなく、難しさや試行錯誤も扱います。特に、誰と相談し、どのように判断したかを説明すると、働く環境やチームの関わり方が具体的になります。社内の問題を誇張する必要はありませんが、きれいな言葉だけで隠す必要もありません。

4. 一緒に働く人と日々の関わり

「仲がよい」「風通しがよい」といった評価だけでなく、実際にどのように声をかけ、相談し、仕事を分担しているかを示します。一人の社員が経験したことを、会社全体に必ず当てはまる制度や慣習として断定しないよう注意します。

5. これから取り組みたいこと

本人が今後どんな仕事をしたいと考えているか、どんな課題に向き合いたいかを聞きます。未来の計画は変更される可能性があるため、すでに決定した会社方針と、本人の希望を区別して記載します。

記事に使う写真は、関連する仕事内容や場面の近くに置くと文章との関係が分かりやすくなります。顔写真だけでなく、同意を得たうえで、仕事で使う道具や作業の様子を撮影することも検討できます。

職種ごとに変えたい質問の観点

同じ質問票をすべての社員に使うと、仕事の違いが見えにくくなります。共通の質問を軸にしながら、職種に応じて聞く内容を変えてみましょう。

営業職に聞きたい質問

  • お客さまの要望と自社の提案が一致しなかったとき、どう進めましたか。
  • 最近、提案の準備で工夫したことはありますか。
  • 他の部署と協力するのは、どのような場面ですか。

開発・技術職に聞きたい質問

  • 仕様や進め方が決まっていないとき、何を先に確認しますか。
  • 品質と納期の間で迷ったとき、どのように相談しましたか。
  • 開発中に意見が分かれたとき、何を基準に決めましたか。

事務・管理部門に聞きたい質問

  • 複数の依頼が重なったとき、優先順位はどう決めていますか。
  • 他部署から相談を受けることが多いのは、どんな場面ですか。
  • 仕組みや手順を変えて、仕事が進めやすくなった経験はありますか。

店舗・現場職に聞きたい質問

  • 忙しい日は、チームでどのように役割を分けていますか。
  • 想定外のことが起きたとき、最初に確認するのは何ですか。
  • 新しく入った人が仕事を覚えるとき、どのように支えていますか。

これらはそのまま読み上げるための台本ではなく、仕事の具体性を引き出すための質問例です。会社や職種の実態に合わせて調整してください。

本人確認と公開前のチェック

インタビュー記事は、話してもらった言葉を編集して公開するものです。読みやすく整えることと、発言の意味を変えてしまうことは異なります。

ノートパソコンの横で、印刷した文章をペンで確認する手元

公開前には、少なくとも次の点を確認します。

  • 発言を短くまとめたことで、本人の意図が変わっていないか。
  • 取材当時の制度や状況を、現在も続く事実として書いていないか。
  • 一人の経験を、会社全体の方針や全員の体験として断定していないか。
  • 顧客名、社内資料、機密情報などを公開してよいか。
  • 写真・氏名・肩書・経歴の掲載範囲について、本人の同意と社内の確認が取れているか。
  • 本人が文章の一部分だけでなく、記事全体の文脈を確認できているか。

良い内容に見せることだけを優先すると、読者が期待する実際の働き方との間にずれが生まれる可能性があります。取材相手の言葉を尊重しながら、読者にとって必要な情報を残すことが大切です。

よくある質問

取材時間はどれくらい必要ですか?

取材する人数や記事の長さ、事前資料の有無によって変わります。あらかじめ候補者の疑問と質問の軸を絞り、必要な確認を行える時間を確保しましょう。会話を長くすること自体が目的ではありません。

何人の社員を取材するとよいですか?

人数を先に決めるよりも、伝えたい職種や仕事内容の違いを考えます。一人の具体的な仕事を深く知ってもらう構成も、複数の社員で役割の違いを伝える構成もあります。候補者の疑問に必要な範囲から考えるとよいでしょう。

話すのが苦手な社員でも、インタビューはできますか?

はい。事前に質問のテーマを共有し、最近の仕事の一場面など答えやすいところから聞くと進めやすくなります。上手な言葉を求めるより、本人が経験したことを順番に聞くことを意識しましょう。

採用動画の社員インタビューとは何が違いますか?

この記事で扱うのは、採用サイトへ載せる文章と写真を中心としたインタビューです。動画では、声や表情、仕事の風景、尺や編集など別の設計が必要になります。採用動画の社員インタビュー|質問と構成例も参考にしてください。

まとめ|社員の言葉から、仕事の実際が見える記事へ

採用サイトの社員インタビューで大切なのは、魅力的な言葉を集めることだけではありません。候補者が知りたい疑問を明確にし、具体的な出来事をたどり、本人の判断や仕事の進め方を伝えることです。

Nico合同会社では、採用サイトに掲載する情報の整理から、社員へのヒアリング、原稿構成、デザイン・実装まで、ご相談内容に合わせて制作範囲を設計します。候補者に何を伝えるべきかが決まっていない段階でも、現在の採用資料や募集状況から一緒に整理できます。

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